俳句の授業

俳句の授業@慶應義塾幼稚舎&世田谷区立弦巻中学校

こんばんは。暦の上ではもう仲秋ですが、まだ日中は気温が高い日が続いています。

さて、今年度すでに実施をした俳句の授業の報告をしておりませんでしたので、

まとめて書かせていただきます。

 

 

こちらは5月末に慶應義塾幼稚舎の5年生のクラスで実施した模様です。

このクラスは特に豊かな語彙を素直に俳句にしてくれる生徒さんが多いのですが、

3,4,5年生と年1回のペースで実施していることもあり、慣れてきて作句のペースが

上がってきました。ベテランの大人でも俳句を作ることは簡単ではありませんが、

限られた時間で沢山の俳句を詠む子が何人もいて、とても成長を実感できました。

 

 

俳句に大人へ近づいた情感が入ってくると添削も時間がかかりますので、

こちらも必死です。。私は俳句は塩梅が大事な要素だと思いますので

バランス調整と、しかしそのまま残したい個性とを取捨選択アドバイスをしました。

 

 

続いてこちらは同じく幼稚舎の4年生、初めて開催のクラスへ7月に伺いました。

 

 

最初の授業のクラスでは、基本的なことや俳句を好きになってもらいたいので、

笑の要素(俳句では、’滑稽’というのも大事な要素ですが)も意識して入れて

話をするようにしています。

 

 

とてもレスポンスが良く、どんどん手が挙がり面白い質問も飛んでくるクラスで

たいへんやりがいがありました!その好奇心と吸収力に驚き、私も勉強になりました。

ありがとう。

 

 

そして、この9月に初めてこのNPO活動で中学校にて授業ができました。

世田谷区立弦巻中学の特別支援学級へ、一昨日の土曜日に伺ってきました。

 

「赤とんぼ」「秋」を季語に選びました。

 

言葉のチョイスが面白い句が多く、また素直な気持ちを5・7・5で表現してくれたので

とても貴重な二時間でした。特に目立った俳句をいくつか取り上げます。

 

「赤とんぼゴルフ場では遠くまで」

中学生がゴルフの句、そしてなかなかゴルフの俳句は(つきすぎて)難しいと

言われたりしますが、こちらの俳句は面白い!!

赤とんぼとゴルフボールが並行して飛んで行ったのでしょうか。

勢いがあり、フィクションなのかノンフィクションなのかそのボーダーにある感じが

なんとも想像を掻き立てられました。

 

「赤とんぼ指に止まった愛の虫」

虫も秋の季語ではあるのですが、象徴として使っているので季重なりというより

私はこの感性を支持したいと思いました。暑さがゆるみふっとさびしくなるようなこの季節は、

愛について考えてみるにはうってつけだと思います。赤とんぼと一緒に。

 

「秋の朝ねむる子どもに母起きる」

とてもリズムが良く、そして作者はもう子どもの立場ではなく俯瞰でその光景を

見ているのですね。大人へと成長していく過程の俳句としてみるとよりほほえましく、

お母さんへの感謝も込められた素晴らしい俳句です。

 

「赤とんぼむれであつまる風の空」

下五を、風の空と結んだところが◎。

言葉の使い方がうまくて、秋の美しい空が目に浮かびました。

日常の観察と本人のイメージのバランスが取れた俳句だと思います。

 

以上、まだまだコメントしたい俳句も沢山ありますがまたの機会に。

 

最後に僭越ですが生徒さんに向けて一句詠ませていただきました。

 

子どもたちとの俳句の授業は正直講師自身も楽しく鍛えられますので、

一緒に成長していけたらと思います。みなさんこれからもよろしくお願いします!